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醜形恐怖症(身体醜形障害)とは|岡山市北区北長瀬の歯医者|金山デンタルクリニック

醜形恐怖症(身体醜形障害)とは

醜形恐怖障害(身体醜形障害)とは

今回の医療コラムは醜形恐怖症について解説をしていこうと思います。皆様は醜形恐怖症(身体醜形恐怖症)という言葉はご存知ですか?
美容外科や審美歯科では知られている用語です。
醜形恐怖障害について、皆様に少しでもわかりやすくお伝えできるように今回も頑張りますので最後までどうぞご覧ください。

醜形恐怖障害(身体醜形障害)とは

まず醜形恐怖障害とはどういうものなのか説明をさせていただきます。
醜形恐怖障害とは、他人からはほとんど気にならないレベルでも、自分の体の1部分もしくは、複数の箇所について欠陥がある状態だと思い込んでおり、1日の内で何時間もそのことについて悩んでいる状態。
もう少し具体的な事例でご説明します。
例えば、他人では気付かないような、ほんのわずかな左右の目の二重幅の違いや、笑った時に見えるの微妙な歯の形の左右差など、通常では気にならないもしくは、気付かないようなことを身体的欠陥(異常や問題である)であると捉え、そのことで1日中悩んでいるような状態です。他人から『別に変じゃないし、気にしなくても大丈夫だよ』と説得されても、そのことに全く聞く耳を持たないという特徴もあります。
このような状態はやや女性に多く見られ、しかも症状は徐々に現れたり、突発的に発症したりするものだとされています。悩みを抱える身体の部分は、多くは顔や歯、毛髪に関する部分が一般的に多いとされていますが、それ以外でも発症することはあり得ます。
通常、醜形恐怖症の患者さんは1日中ずっと鏡をみているか、逆に鏡を避ける、もしくは2つの行動を交互に繰り返している場合があるそうです。
そして、症状がひどくなってしまうと、社会的に孤立したり、抑うつ状態になり日常生活に支障を引き起こしてしまう場合もあります。

歯科と醜形恐怖障害の関連性

醜形恐怖障害と歯科との関連は、審美治療において強く関連性があるとされています。主に前歯のセラミック治療や歯列矯正治療で問題になるケースが圧倒的に多いように思われます。
歯科医師でも、気付かないような点について気にされておられることがあります。例えば、前歯の長さや、歯の大きさの左右差や、歯の形に関することです。私たちも一生懸命、患者様のおっしゃっている問題点を解決しようと思うのですが、どこが問題なのか分からないケースにも遭遇します。左右の大きさが違うと言われても、実際にサイズを測るとほとんど一緒のサイズで目の錯覚としか言いようのない場合などがあります。実際、歯の形や色、光のあたり具合で歯の見え方は、結構変わります。
歯列矯正でも、あと0.1㎜歯を動かして欲しいなどと言われることもあります。
私の経験上、治療前のカウンセリングで出来ることと出来ないことをお伝えし、仕上がりに関しても十分に説明をして本人も納得されており、患者様自身も『自分はそこまで拘りがないから』とおっしゃていた方でも、治療の途中で気になり始めてしまうケースがあります。誰しも、醜形恐怖症になる可能性があるのです。

醜形恐怖症は治るのか?

醜形恐怖症は正しい治療で治ることもあります。しかし、治療は簡単ではありません。医科の領域では、醜形恐怖症の方が美容整形を受けることで症状が緩和することが医学的に認められているそうです。
歯科の分野においては、醜形恐怖症の方に対してどのような対応を取るべきなのかはっきりとしたガイドラインがない状態です。その都度、ケースバイケースで対応している状況です。

当院での対応

当院では、醜形恐怖症の方に対してどのように対応をしているのかお伝えさていただきます。
まずは、時間をかけてカウンセリングを行います。そこでは、どういったことが気になっているのか、そしてどのようになりたいのかをしっかりとヒアリングさせていただきます。そして、当院で出来ること出来ないことを可能な限り丁寧にお伝えしております。また治療中もなるだけ、治療終了までを急かしたり焦らしたりすることなく患者様のペースで、しっかりご要望をお伺いしながら納得していただけるように進めていきます。
しかし残念ながら、当院では解決できないと判断されるような場合もあります。どれだけ時間を使ってご説明させていただいても、治療の内容に関してご理解をいただけていない場合や、一方的に希望だけを伝えられて私どもの話を全く聞いていただけず上手くコミュニケーションが計れないような場合などは治療をお断りするケースもございます。

人の悩みやコンプレックスはそれぞれで、悩みの質も大きさも全く異なる物だと思っております。他人には理解できない悩みがあるのは当然のことだと思います。
当院の考え方は、患者様のお悩みを解決するためには医療を施すだけが治療とは思っておりません。時にはしっかりお話しをお伺いすることや、一緒に悩んだりすることも大切であると考えております。
お口のことでお悩みの方はどうぞお気軽に当院までご相談ください。

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