歯科コラム

Column

外科的歯内療法につい|岡山市北区北長瀬の歯医者|金山デンタルクリニック

外科的歯内療法につい

外科的歯内療法について

いつも当院の医療コラムをご覧いただきありがとうございます。
今回は外科的歯内療法について書いていこうと思います。最後まで読んでいただければ幸いです。

外科的歯内療法とは?

通常の歯内療法は、歯の頭(歯冠部)から器具を挿入し、薬剤を使用することで根管内を綺麗にする治療です。
しかし、何らかの原因で歯冠部から治療を行うことが出来ない場合や、通常の根管治療を行ったにもかかわらず病巣が治癒しない場合に外科的歯内療法を行います。
外科的歯内療法にはいくつか方法がありますが、現在よく行われるのが逆根管充填を併用した歯根端切除術になります。
その他にも。意図的再植などがあります。

歯根端切除術の術式

簡単に歯根端切除術の術式について紹介します。

①CTなどで病巣の大きさを確認して、術野に十分な麻酔を行います。
②歯茎を切開、剥離し、歯槽骨を露出させます。
③必要な場合は、病巣を取り出すために骨に穴を開けます。
④病変を取り出し、骨面をしっかり掻爬します。
⑤歯根を切除します。
⑥根管形成を行い、逆根管充填を行います。
⑦縫合を行い、手術は終了です。

術後は、1週間で抜糸を行います。そのあとは、3ヶ月後、6ヶ月後にCTを撮影し、病巣の変化を観察していきます。
通常は、術後6ヶ月程度で骨の治癒を確認できます。
骨の治癒を確認できたら、手術は成功となります。

歯根端切除術のメリット・デメリット

続いて、歯根端切除術のメリットとデメリットについてお伝えしていこうと思います。

メリット

・被せ物や土台を外さずに治療ができる
・直接、歯根の感染部位を確認しながら治療できる
・抜歯を回避することができる

デメリット

・外科手術が必要になる
・術後歯茎が下がることがあり、前歯では審美障害をきたすことがある
・術後、歯根破折や動揺のリスクがある

歯根端切除術のメリット、デメリットについて記しましたが、基本的にはデメリットよりもメリットの方が大きい処置だと考えています。通常の根管治療では治療できずに抜歯になる歯を保存できる唯一の方法です。
当院では、CTを使用してなるべく安全で成功率の高い手術を行えるように努めています。

当院での実際の症例

当院での歯根端切除の実際の臨床についてご紹介します。
他院で、歯根端切除を行ったが、すぐに再発してしまい当院での再治療を希望されたケースです。
再発した原因は、歯根端切除を行ったにもかかわらず、感染エリアを取り残している点と、逆根管充填がされていない点が原因と判断し、当院で再手術を行いました。
*通常、歯根端切除術は何度も再治療ができるものではありません。

術前のレントゲン

術後のレントゲン


マイクロスコープを使用し、感染源を確実に除去できたことと、MTAセメントによる逆根管充填により病巣の縮小化が見られます。違和感などの症状もなく経過良好です。

まとめ

今回は外科的歯内療法について書かせていただきました。
歯根端切除療法を代表とする外科的歯内療法は、一般的な根管治療ではうまくいかない時の最後の手段となります。
根の治療が難しくて残せないと言われた方は、是非当院までご相談ください。
もしかしたら、外科的歯内療法で残せる可能性があるかもしれません。
当院では、少しでも歯を残せるようにCTやマイクロスコープを使用し精度の高い治療を目指しています。
当院は24時間WEBでも予約を受け付けております。どうぞよろしくお願いいたします。

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