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根管治療の経過観察について|岡山市北区北長瀬の歯医者|金山デンタルクリニック

根管治療の経過観察について

根管治療後のレントゲン撮影について

今回の医療コラムの内容は根管治療で行う治療後のレントゲン撮影について書いていこうと思います。
治療が終わったのになぜ、定期的にレントゲンを撮影する必要があるのか、レントゲンで何を見ているのか簡単に解説をしていこうと思います。

根尖病変とは

根尖病変というのは、根の先端に病気ができている状態の総称です。
根尖病変は、歯髄と呼ばれる歯の神経が何らかの原因で感染したり、歯の神経が元々詰まっていた歯髄腔という空間に細菌が侵入して、歯の内側が感染した状態を放置したりすることで発症します。そのほかにも、根管治療で使用するファイルが根の先端から出ていたり、根管治療中の器具の操作が乱雑で組織を気付けたりなど、様々な刺激によっても発症することがあります。
根尖病変は基本的には自然に治癒することはありません。根尖病変は抗生物質を服用しても治癒しません。基本的にファイルや洗浄薬を使用した根管治療を行い、感染源など炎症の元を取り除くことをしないと治癒することはありません。
根尖病変には、慢性期と急性期があります。急性期では、強い痛みを伴い、歯が大きく揺れたり、歯茎が腫れたりします。慢性期では、痛みなどの自覚症状はほとんどありません。
患者さん自身に自覚症状がなく、歯科医院でレントゲンを撮ってみて初めて根尖病変があることに気付くことがよくあります。
皆様も、以前に根管治療を受けている方は、歯科医院でレントゲンを撮って診察を受けてみることをお勧めします。
もしかしたら、症状はなくても再発しているかもしれません。

根尖病変の治療方法

根尖病変は、根管内の細菌感染などが原因なので、ファイルやリーマー、超音波器具などを使用して炎症の原因になりそうなものを徹底的に取り除き、消毒薬で根管内を洗浄します。
根管内が綺麗になったら、根管内に根充材を詰めて治療が終了です。
あとは、体の自己治癒力で傷ついた組織が治っていきます。

根尖病変の術後のレントゲンを撮影する意味 

根尖病変は細菌感染や、様々刺激によって発症した根の先端付近の病気なのですが、根管治療を受けてもすぐに治っているのかわからないことがあります。
痛みが無くなったり、歯茎の腫れなどが無くなればわかりやすいのですが、、自覚症状がなかった症例や、痛みなどの自覚症状がなくなっても病変が大きい場合にには、すぐには治療が上手くいっているのか判断がつかないことがあります。
治療が終了した時点では一見治療がうまくいったように見えても、数ヶ月で痛みが再発するケースがあります。また、自覚症状はなくてもレントゲンで確認をしたら病変が消えていない症例もあります。
根尖病変が本当に治っているのか確認する方法は、レントゲンやCTで確認するしかありません。
痛みなどの症状が全くなくても、レントゲンで経過観察を行い、病変に縮小傾向があるのか確認をしなくてはいけません。
当院では、病変の大きな場合の治療では治療の成功は、治療してから最低3ヶ月程度経過しないとはっきりとわかりませんと説明しています。
根尖病変は、レントゲンで黒い影のように見えるのですが、この黒い影がなくなる、もしくは小さくなると治療がうまくいっている証拠になります。病変によって傷ついた組織が元の状態に戻るためには、相当の時間が必要なんです。病変により骨に穴が開いていたり、骨に炎症などがあると骨の自然治癒が開始して元に戻るためには、最低6ヶ月以上かかります。病変が大きいとさらに時間が必要となります。根管治療で原因を取り除くだけで、あとは体の治癒力で治していきますので病変が小さくなるスピードにも個人差があります。
一般的には、どんなに病変が大きくての治療後3ヶ月〜6ヶ月程度でレントゲン上では病変の縮小傾向が見られると言われています。
CTで病変の縮小傾向が見られたら、そこで根管治療によって治癒がうまくいっている証拠になり、安心することができます。

また一旦よくなっていても、数年後に無症状で再発している可能性もあります。なので、根管治療を行なったあとは、一旦治癒した歯でもその後から再発していないか時々はレントゲンで確認をすることも大切です。
再発を早期に発見することができれば、痛みのない状態で再治療を行うことができ、再治療の成功率も向上します。

まとめ

根管治療の後に撮影するレントゲンの意味について今回は解説をしました。
根管治療の後に撮影するレントゲンの意味は大きく2つあって、一つは治療後、治癒がうまく進んでいるのかの確認、もう一つは、治癒後の再発をしていないかの確認をしています。

当院では、根管治療が終了して病変が小さくなるまでは、必ずレントゲンを撮影して確認しております。しかし、その後の経過観察に関しては、全員に対して必ず行なっているのではなく、希望される方にのみレントゲンを撮影させていただいております。(根尖病変の早期発見のためには定期的にレントゲンで確認することをお勧めしております。)

他院で抜歯と判断された根尖病変でも、一度当院へご相談ください。精密で丁寧な根管治療をご希望なら岡山市北区北長瀬・問屋町にあります金山デンタルクリニックへ

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