歯周病治療と歯磨きの関係
- 2023年10月20日
- 歯周病
歯周病治療と歯磨きの関係
皆さま、いつも当院の医療コラムをご覧いただき誠にありがとうございます。
今回は、歯周病治療と歯磨きの関係性について解説をしようと思います。
歯周病という病気は、歯茎の周囲にプラークが溜まって、プラーク中の細菌によって歯茎や歯茎の下の骨に炎症を引き起こします。骨に影響が出ると、歯を支えている歯槽骨が吸収していまい、歯がグラグラと揺れ出して、最後には歯を失うことになります。
歯周病に対しては、ちゃんとした治療方法が確立されており、早期に治療を行うことで歯を失うリスクを軽減することができます。
歯周病治療と歯磨きがどのような関係があるのか、できるだけわかりやすく解説したいと思いますので、最後までご覧ください。
歯周病の治療方法
歯周病の原因は細菌です。治療としては、プラークと呼ばれる細菌の塊を取り除くことになります。
プラークは歯茎の表面、歯の表面、歯の根っこの表面に付着しています。また歯石の表面にもプラークは付着しています。
これらの箇所を専用の器具を用いてプラークを取り除きます。歯石に関しては、歯石ごと取り除くことになります。
歯茎の表面や歯の表面は、歯ブラシやハンドスケーラーを使用して取り除きます。歯茎の中のプラークは専用の超音波スケーラーやハンドスケーラーと呼ばれる器具を使用します。
歯ブラシでの歯磨きもちゃんとした歯周病の治療と考えられています。
また、どうしても取れないような場所にあるプラークを取り除くために、麻酔をして歯茎をめくってからお掃除を行う外科処置や、失った骨を再生させる再生療法もあります。
歯磨きの重要性
歯周病の治療において最も重要とされているのは、実は歯磨きだと言われています。
歯磨きが重要だというのはしっかりと理由があります。
歯周病の治療には、歯茎の外と中で治療する順番が決まっていて、基本は見えるプラークから取り除いていき最後に歯茎の中のプラークを取り除いたり、再生療法などを行います。
この順番については、古い論文でその有効性が証明されていて、歯茎や歯の表面にプラークや炎症が残っている状態で、歯茎の中を治療すると逆に歯周病が悪化するというデータがいくつもの論文で報告されています。
正しい歯磨きを毎日することは、歯周病を治す上でとても大切で、歯磨きが上手にできないとそれ以上の治療ができないことになります。
歯磨きがきちんと出来ている患者さんの治療の成功率は高いとされており、再生療法などの外科手術でも歯磨きがちゃんと出来ている人には効果があっても、歯磨きが出来ていない人に手術してもほとんど効果がないか、むしろマイナスの結果になってしまう可能性があります。
歯磨きの効果は治療に関するだけでなく、その後のメンテナンスにも影響しています。
歯周病の治療が終わっても、歯磨きが上手な方はその後の経過も良いとされています。
こちらも論文の報告ですが、歯周病の治療が無事に終了しても、歯磨きをちゃんとしないとすぐに元の状態に戻ることがわかっており、治療終了後も継続的に正しい歯磨きを行い、口腔内を清潔に保つことで良い経過を辿ることがわかっています。
まとめ
歯磨きは歯周病に大きく関係していることはご理解いただけたでしょうか?
歯磨きは毎日行うものですが、あまりに当たり前すぎて逆におそろかになっている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、歯周病の予防や治療にとって歯磨きはすごく大切で、歯周病の治療の成功の鍵と言っても過言ではありません。
歯磨きに自信のない方や、自分の歯磨き方が正しいのか気になる方はぜい歯医者さんで相談されてみてください。
当院では、一人一人にあった歯磨きの方法をお伝えしています。歯磨きが苦手な方でも、必ず克服できるように歯科衛生士が一緒になってサポートいたします。
また当院では、歯周病治療にも力を入れており、拡大鏡やマイクロスコープを使用した精密な治療、再生療法を行なっております。
歯周病でお悩みの方は岡山市北区北長瀬・問屋町にあります金山デンタルクリニックへお気軽にご相談ください。