歯科コラム

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歯周病と喫煙について|岡山市北区北長瀬の歯医者|金山デンタルクリニック

歯周病と喫煙について

歯周病と喫煙について

今回は歯周病と喫煙の関係性について解説しようと思います。皆様は喫煙は健康に良くないということはご存知だと思います。実は歯周病に対しても喫煙は悪影響を及ぼしてしまいます。そこで今回は喫煙がどのように歯周病に影響を与えているのか、できるだけ簡単に解説しようと思います。

喫煙は歯周病のリスクファクター

特定非営利活動法人日本歯周病学会から発表されている、歯周治療のガイドライン2022でも喫煙は歯周病に対するリスクファクターとして最大のリスクだと掲載されています。喫煙患者は、非喫煙患者に比較して2〜8倍歯周病になりやすいとされています。また喫煙者の歯周病治療は非喫煙者よりも治りいくいということがわかっています。歯周病に対するリスクファクターは色々ありますが、その中でも喫煙が最も悪いリスクだということです。

なぜ喫煙が悪いのか

喫煙者によりどのような身体の変化が起きるのか解説します。
現在わかっている範囲で、歯茎に対するタバコの影響と人間の体の中の、好中球、単球、リンパ球という血液の成分に悪影響を与えることがわかってきています。

・タバコと歯肉(歯茎)の関係
喫煙者の歯肉は非喫煙者とは異なり特徴的な状態になります。喫煙者の歯肉はタバコの熱により角化や線維化、色素沈着を認めることが多いとされています。これにより、歯周病が発症した場合、病状が表に出にくい(症状が分かりにくい)状態となります。またニコチンによる血管の収縮により炎症の症状も現れにくく、歯周病の進行が見落とされがちになります。また血管の収縮により歯周病の治療を行っても治りにくいという特徴があります。

・好中球とタバコの関係
タバコの中に含まれるニコチンが好中球の働きに影響し、走化性や貪食能を低下させて殺菌能を刺激することがわかっています。どういうことかというと、外部から侵入してきた敵に向かって走り、そのまま敵を食べてしまう能力が低下してしまい、敵を酵素や活性酸素でやっつける能力が高まってしまう状態です。もっと具体的に言えば、本来の好中球の働きができずに、周囲の自分の組織を傷つけてしまう状態になっています。

・単球(マクロファージ)とタバコの関係
喫煙により単球から、組織を破壊するようなサイトカイン、炎症性メディエーターと呼ばれる成分が多く放出され、反対に組織を再生するような成分の生成が抑えられることが分かっています。

・リンパ球とタバコの関係
リンパ球に関しては、歯周病菌に対する抗体を作る能力が低下するという報告や、免疫細胞のバランスが崩れるといった報告があります。

まとめ

喫煙者というのは、非喫煙者と比較して歯周病になりやすく、治療をしても結果が出にくいということが分かっています。若年者にとっては歯周病なんて関係ないと思われがちだが、歳を重ねていったん歯周病になってしまうと大変なことになります。喫煙者であっても、禁煙をすることでリスクが低下するということも分かっています。喫煙者にとって、禁煙をすることは決して簡単なことではありませんが、自分の体のことを考えて禁煙されることをお勧めします。最近は禁煙外来も増えてきていますので、頑張って禁煙されてみてはいかがでしょうか?
当院では歯周病治療に力を入れています。歯周病でお悩みの方は岡山市北区北長瀬・問屋町にあります金山デンタルクリニックへお気軽にご相談ください。

 

 

 

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