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根管治療の成功率と成功に必要なもの|岡山市北区北長瀬の歯医者|金山デンタルクリニック

根管治療の成功率と成功に必要なもの

根管治療の成功率について

今回は根管治療の成功率よ予後(治療後の再発など)について解説しようと思います。
根管治療とは歯の根っこに問題がある場合に行う治療です。
根管治療はとても繊細かつ難しい治療で、治療の質によってはその歯の寿命を著しく縮めてしまうかもしれないものになります。根管治療の成功率とは一体どの程度のものなのか、また成功率に影響を与える要因はどのようなものなのかをまとめてみましたので、ぜひ参考にされてみてください。

根管治療の成功率

根管治療の成功率は100%ではありません。これを聞くとガッカリされるかもしれません。しかし、完璧な医療行為はありませんし、根の治療自体がとても難しい治療なので仕方がないのです。
現在、世界各地の学会などで発表されている平均的な成功率を紹介します。

・病変のない未処置への根管治療   成功率 約90%

・病変のある未処置への根管治療   成功率 約80%

・再根管治療            成功率 約70%

・外科的歯内療法          成功率 約90%

これらの成功率については注意をしなければいけないのが、それぞれの学会などで示されている論文の研究方法や成功と失敗の判定基準の違い、治療方法の違いなどもあるため完全な平均値ではないという点です。
ちなみに1950年代から現在までの根管治療に関する成功率の報告は58%〜97%と大きな開きがあります。
そしてもう一つ気をつけなくてはいけないのが、これらの論文で治療を行なっているのは根管治療の専門であることが多いということです。日本での保険診療で専門医でない歯科医師が行っている根管治療ではもう少し成功率は低いとされています。
しかし、安心していただきたいのは、しっかりとトレーニングを積んだドクターが正しい治療方法で根管治療を行えれば比較的高い成功率で治療を行えるということです。

根管治療の成功率に影響を与える要因

正しく根管治療を行えば、ちゃんと成功するとわかった根管治療ですがどのようなことに気をつけなくてはいけないでしょうか。次に根管治療の成功に影響を与える要因を挙げてみます。
治療に影響を与える因子には術前、術中、術後に分かれて存在しています。

術前因子
・歯髄の状態(歯の神経の状態)
 歯の神経が感染している状態よりも感染していない状態の方が成功率は高くなります。また、根っこの先端に病変がある場合はさらに成功率が下がると言われています。

・根尖周囲組織の状態(根っこの先端の状態)
 歯の根っこの先端に病変のある状態は成功率が全体の20%下がると言われています。レントゲンで根っこの先端に黒い影が見える場合は根っこの先端に病変ができている可能性が高くなります。

・根尖病変の大きさ
 一般的に根っこの先端の病変が大きくなるほど成功率は下がると考えられています。レントゲンで5ミリ以上の大きさになると治療の経過が悪くなる可能性が高いと言われています。

・初回の根管治療か再治療の根管治療か
 初回の根管治療よりも再治療の方が一般的に成功率が低いと考えられています。

術中因子
・根管充填の質
根管充填とは根管治療で根っこの中を綺麗にした後に隙間ができないように薬剤をつめる作業です。この作業をいかに丁寧に行うかで成功率は変わると言われています。また使用する薬剤の種類によっても成功率は変わります。現在ではMTAセメントもしくは生体バイオセラミック材料を使用することが推奨されています。

・感染物の残存
感染している神経や、以前治療した際の感染した根管充填材などが残っている状態でも治療は成功しません。根っこの病気のほとんどの原因は根っこの中の細菌が原因となるため非常に重要な因子となります。

・ラバーダムの使用
日本の根管治療ではほとんど使用されることのないラバーダムですが、根管治療の成功には非常に重要なものになります。
人間の唾液の中には無数の細菌も含まれています、こうした細菌から治療中の歯を守るためにはラバーダムが必要だと考えられています。

術後因子
・歯冠修復物
根管治療を行なった歯は、その後被せ物を装着したほうが治療後に再治療になる可能性が低いという結果が出ています。これらの理由としては、被せ物を装着することでお口の中の細菌からの感染予防と歯が割れてしまうことの予防に関係していると考えられています。

まとめ

今回は根管治療(根っこの治療)の成功率や成功のための条件についてまとめてみました。根管治療はとても複雑で難しい治療とされていますが、しっかりと正しい治療を行えれば成功率の高い治療だということがわかります。
当院では、保険診療、自費で行う精密根管治療の両方で丁寧に治療を行い少しでも成功率の高い治療を提供できるように日々診療を行っております。
他院で抜歯と判断された歯でも、救える可能性があるかもしれません。まずは当院へ相談だけでも結構です。お気軽にご相談ください。不幸にして、根管治療で治療できない歯であった場合は、抜いた歯を補うインプラント治療やブリッジ、入れ歯の治療も行っております。

根管治療(根っこの治療)でお困り、お悩みの方は岡山市北区にあります金山デンタルクリニックまで

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