GBRについて
- 2023年7月19日
- インプラント
GBRって何?
今回はGBRについて、少しでもわかりやすく解説ができればと思い、今回まとめてみました。
GBRの簡単な歴史的背景や、治療方法について簡単にまとめています。
インプラント治療では、多くの症例で必要になる手術であり、当院でも多くの質問をいただく内容になっております。
よろしくお願いいたしま。
GBRの歴史
GBRとはGuided Bone Regenerationの頭文字となっています。日本語に訳すと、骨再生誘導法と言います。
現在のチタンを使用したインプラント治療は、1960年代後半から1970年代にかけて発表されて、その後も様々な改良を加えられてきました。当初、インプラント治療は無歯顎と言って、全く歯のない方へ応用されていました。
1980年代を過ぎたところから、部分的な歯の欠損にもインプラント治療が使用されるようになりました。この頃から、骨の再生についても必要性が考えられてきました。
元々、歯周病によって失われた骨を再生する方法として、GTR法が開発されました。GTR法とは特殊な膜を使用して骨を再生する術式です。そのGTRの概念をベースにして現在のGBR法が開発されました。GBR法は開発されてから約20年以上が経ち、さまざまな術式の改良と術後の経過観察による考察を繰り返し、現在ではGBR法の理論は完成されたものとなり安心して行える術式となり、世界中で日常的に行われる骨の造成方法となりました。
GBRでできた骨は安全なの?
GBR法は確立された治療方法であることはお分かりいただけたと思います。ではGBR法で作った骨は安全なのか解説をしようと思います。
結論としては、GBR法で作られた骨は、天然の骨とは異なります。GBR法で作られた骨は、骨様組織と呼ばれています。骨に似たような組織ということで完璧な骨ではないということです。これは、骨移植剤が関係しています。GBR法で作られた骨様組織は、論文によると10~15年経っても問題なくボリュームを維持していると報告されていますので、インプラント治療において特に問題はないとされています。また、インプラントの寿命にも大きな影響はないと報告されています。
しかし、注意しないといけないのが感染です。例えば、天然の骨であれば、骨には骨髄という組織があり血管も豊富なため、免疫機能が十分にあります。なので、簡単には骨に感染が及ぶことはありません。しかし、骨様組織は骨髄組織が少なく血管も天然の骨に比較すると少ないため免疫機能が弱く、感染しやすいと言われています。
骨様組織を長持ちさせるために
骨様組織は感染しやすいとお伝えしましたが、必ず感染するというわけではありません。
骨様組織の感染のほとんどは日頃の歯磨きと定期検診で予防できます。感染の原因は、インプラント周囲の汚れが放置されることで生じる、インプラント周囲炎と呼ばれる病気です。インプラント周囲炎は、歯周病に似た病気で口腔内のプラーク(歯垢)が原因で生じる病気です。
インプラント周囲のプラークを放置していると、プラークに含まれる細菌がインプラントを伝って骨様組織に影響を与えます。
インプラント同様、GBR法で再生した骨様組織を長持ちさせるためには、毎日のブラッシングと定期的なメンテナンスを心がけましょう。
まとめ
今回はGBR法について解説しました。GBR法はちゃんと確立された治療で、インプラント治療を行う中で必要不可欠な手術になります。骨がなくてインプラントが出来ないというのは、ひと昔前です。今では、GBR法で骨を作ることもできますし、ショートインプラントと言って短いインプラントを使用することで、元々の骨が薄くてもインプラント治療が可能な場合がほとんどです。当院では、他院でインプラント治療不可能と言われた方、大歓迎です。
諦める前にぜひ一度ご相談ください。
安心、安全なインプラント治療を受けるなら岡山市北区北長瀬・問屋町にあります金山デンタルクリニックまで