虫歯の進行について
口腔内(お口の中)には、、約300~700種類の細菌が生息しているといわれます。 歯をよく磨く人で1000~2000億個、あまり歯を磨かない人では4000~6000億個、さらにほとんど磨かない人では1兆個もの細菌がすみ着いています。その細菌の中には虫歯を形成する、ミュータンス菌とラクトバチラス菌が存在します。2つの菌は、それぞれ働きが異なり、歯の表面から虫歯を作っていくのがミュータンス菌で、さらに深いところで虫歯を作っていくのがラクトバチラス菌になります。このように、虫歯は初め歯の表面から発生し、どんどん深部へ進行していくのが特徴です。また、1度、治療を行なった歯でも詰め物や被せ物の隙間から細菌が侵入して内部で虫歯を形成しすることもあります。
虫歯の進行と症状
虫歯進行するとどのような症状が出てくるのか解説していきます。
虫歯は進行度に合わせてC0、C1、C2、C3、C4とグレードが分かれています。
C0 ごく初期のむし歯
C0は「シーオー」と読み、「C」はcaries(カリエス:むし歯)の頭文字で、「0」はobservation(オブザベーション:観察)の頭文字です。したがって「C0」は、むし歯になっているものの、今のところ治療の必要がない要観察歯となります。むし歯菌が放出する酸によってエナメル質が溶かされ始めている段階で、歯の表面が白く濁って見えますが、まだ穴は空いておらず、痛みなどの自覚症状もありません。
C1 エナメル質に小さな穴が空いたむし歯
エナメル質がさらに溶かされ、小さな穴が空いた状態です。歯の表面は黒ずんで見えます。冷たいものを飲食した際に「しみる」などの自覚症状が現れますが、痛みはまだないため、ご自身でむし歯かどうかの判断がつきにくい状態です。この段階では、歯を削らずに治すことができたり、削る場合でも麻酔を使わずに削る量を最小限に抑えて治療ができたりします。このC1の段階で早期に治療を受けることが理想です。
C2 歯の内部(象牙質)まで進行したむし歯
むし歯がエナメル質の内側にある象牙質まで達している状態です。むし歯の部分は黒く見えます。冷たいものや甘いものを飲食したときに、しみる・痛むなどの自覚症状が現れます。この段階から進行が早くなるため早期の治療が重要になります。
C3 神経まで進行したむし歯
むし歯が歯の内部にある神経(歯髄)まで進行した状態です。冷たいもの、甘いものに加え、熱いものでもしみたり、刺激を与えなくても激しい痛みが生じたりする場合があります。
C4 歯根まで進行したむし歯
歯根の部分までむし歯菌が侵入し、歯の大部分は溶けて崩れ、末期のむし歯の状態です。この段階では痛みを感じる神経自体が壊死しているため痛みを感じません。しかし放置するとやがて歯根部に膿がたまり激痛を生じやすくなります。麻酔も効きにくく、歯を残存することも難しくなります。
まとめ
虫歯を放置するとどのようになるのか解説しました。今、虫歯を治療せずそのままにしていませんか?最初の頃は、冷たいものが時々しみる程度の症状でおさまっていますが、虫歯はどんどん神経の方に向かって進行していきます。やがて、症状はひどくなり、最後には激しい痛みを伴います。そうなれば、治療に使用する麻酔も効きにくくなり、辛い思いをすることになります。また最悪の場合、抜歯(歯を抜く)をしなければならない状態になります。削った歯や抜いた歯は二度と元に戻ることはありません。
虫歯は早期に治療することが、歯の寿命に大きく関わってきます。虫歯に心当たりのある方は、なるべく早く歯科医院で治療を受けることをお勧めします。
また、自覚症状がなくても虫歯になっているケースもありますので、久しく歯医者さんに行かれていないかともぜひ1度検診を受けていただきたいと思います。
次回は、虫歯の進行に合わせた治療方法についても詳しく解説しようと思いますので、ぜひ参考にされてください。
再発の少ない虫歯治療をご希望であれば、拡大鏡、マイクロスコープを使用した治療が最適です。
当院では、可能な限り健康な歯を削らずに虫歯治療を行うことに力を入れております、虫歯のことでお悩みの方はお気軽にご相談ください。
虫歯のことなら岡山市北区北長瀬・問屋町にあります金山デンタルクリニックへ