サイナスリフトについて
- 2023年10月21日
- インプラント
サイナスリフトについて
皆さん、いつも当院の医療コラムをご覧いただき誠にありがとうございます。
今回は、サイナスリフトという手術について解説をしたいと思います。インプラント治療を行う上で重要になるのは、インプラント治療を行えるだけのあごの骨があるのかどうかになります。
そして、十分な骨の厚みがない場合には、骨を作る処置を行わなくていはいけません。サイナスリフトとは、上の顎にインプラントを行う際、骨の厚みが十分でない時に行う造骨の手術の一種になります。
インプラント治療を受けたいけど、骨がないからと諦めていた方は是非コラムを最後までご覧いただければ幸いです。
サイナスリフトとは?
サイナスリフトは上の奥歯にインプラント治療を行う際、骨の厚みがない時に行う骨を増やすための手術です。通常、歯を抜くと骨は吸収してしまいます。上顎(上のアゴ)の骨は、副鼻腔の上顎洞という空洞のエリアに接しています。歯を抜くことで、骨が吸収して上顎洞という空洞に近づくことと、上顎洞も拡大することが分かっていますので、最終的にはインプラントを植えるだけの骨の高さがなくなってしまうのです。そのうような場合に、上顎洞へ骨移植剤を填入して骨を増やす手術をサイナスリフト術と呼びます。
サイナスリフトの術式
サイナスリフトは、上顎洞にアプローチする術式なので、上顎の奥歯の側面から上顎洞に向かってラテラルウインドウ(穴)を形成します。この時に注意するべきは、上顎洞に存在する上顎洞粘膜を決して破ってはいけないということです。上顎洞粘膜を破らないように、骨から洞粘膜を剥がしていきます。最終的には、洞粘膜と骨の間に空間が生まれます。その空間の中に骨移植剤を填入します。骨移植剤が洞粘膜から漏れていないことを確認してから、ウインドウを塞ぐようにメンブレンという膜をおいて手術は終了です。
サイナスリフトの経過
サイナスリフトの術後は、感染しないように抗生物質を服用しながら安静に過ごします。術後の約1週間はお顔がかなり腫れます。痛みに関しては個人差がありますが、さほど大きな痛みはありません。2週間もすれば顔の腫れも落ち着いてきます。
また、サイナスリフトを行った直後は大きな気圧変化も、避けなくてはいけません。飛行機にはなるべくならない方が良いです。また鼻腔を陰圧にするような管楽器の演奏なども控える必要があります。感染と気圧の変化に気をつけ生活をしていただきます。
術後6〜9ヶ月ほどでインプラントを植えることができるようになります。
サイナスリフトを受けるリスク
感染性上顎洞炎
サイナスリフトは上顎洞という鼻の空洞に骨移植剤を入れて骨を増やす手術ですが、リスクも存在します。
最も代表的なものは、術後感染による上顎洞炎発症のリスクがあります。感染性上顎洞炎になりますと、移植した骨移植剤も全て感染していますので一旦全て取り除くことになります。
感染には十分に注意して術後過ごすことが大切です。
まとめ
今回はサイナスリフトについて解説を行いました。サイナスリフトはインプラント治療に関する外科手術としてはかなり難易度の高い手術になります。副鼻腔にアプローチする治療方法なので、口腔内だけでなく鼻腔の解剖学についても詳しいドクターでないと手術を行うことはできません。手術ができるかどうかは、事前に歯科医院へ確認をしましょう。
サイナスリフトを行うことで、上の奥歯へのインプラント治療を諦めていた方も、インプラント治療が可能になります。
リスクの高い手術にもなりますので、担当医としっかり相談をして治療を受けてください。
当院ではサイナスリフトを行っております。事前にCT で副鼻腔の状態を確認し、必要であれば耳鼻科と連携をして手術を行うことができます。
今まで、上の奥歯のインプラント治療を諦めていた方も、一度当院へご相談ください。
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