インプラント治療の寿命について
- 2023年7月15日
- インプラント
インプラント治療の寿命について
今回はインプラント治療の寿命について私なりの考えを、論文などによる報告をもとに書かせていただきます。
今回の内容は、インプラント治療を受けようか悩んでいる方から多くいただく質問となります。
今現在、インプラント治療を悩まれている方へ参考になればと思います。よろしくお願いいたします。
インプラント治療とは
まずインプラント治療とはどのようなものか簡単に解説します。インプラント治療とは、歯を失ってしまった際に行う治療です。インプラントというチタン合金製の医療用ネジを顎骨(アゴ)に植え込み、インプラントと骨が結合(くっつく)した状態でインプラントに被せ物を装着する治療のことを言います。
このように、インプラント治療では必ず、アゴにインプラントを植え込む手術が必要となります。
インプラント治療は義歯(入れ歯)と比較して、硬いものがしっかり噛めて、味覚の邪魔にもなりませんので食生活の質が大きく改善します。
しかし、インプラントの最大の弱点は感染に弱いという点です。しっかり歯磨きをして、定期的に歯医者さんでメンテナンスを受けていないと、歯周病と同じようなインプラント周囲炎という病気を発症してしまいます。この病気は、インプラントの周りの骨が溶ける病気で、治療で治すことが普通の歯周病よりも難しいとされています。症状が進行すると、インプラントが揺れてきますので、最終的にはインプラントを撤去しないといけなくなり、再手術が必要となります。
インプラントの寿命ってどのくらい?
ではインプラントの寿命はどの程度のものなのでしょうか?
まず最初に、私はいつも患者様にお伝えしているのは、インプラントの寿命はわからないということです。
ケースによっては、すぐにダメになる人もいれば、何十年も問題なく使用できている人もいるというのが真実です。
論文の報告では、インプラント治療から5年後の生存率(お口の中に残っている可能性)は94%以上で、10年後は89%以上とされています。このように論文の報告では、10年以上インプラントが残っているとなっています。この数字は、大変優秀な数字のように見えます。しかし、10~20%の方は、何かしらの理由でインプラントが抜けている、もしくは撤去されているのも事実です。
これから治療を受けるあなたが、この20%に属さないという保証はどこにもありません。
ですから、私はインプラントの寿命に関するご質問をいただいた時には、いつもこの数字をお伝えしています。しかし、必ずしも10年間、問題なく使用できるわけではありません。もしかしたら、それよりも短い期間で再治療が必要になる可能性もあるとお伝えしております。逆に、10年以上問題なく使用できることもあるとお伝えしています。それは、実際に20年以上前に治療したインプラント治療が全く問題なく使用できており、当院でメンテナンスを行っている症例も数多くあるからです。(当院は開院してまだ3年ですので、以前に他院でインプラント治療を受けて、その後当院でメンテナンスを受けておられます。)
インプラント治療は、どのくらい正しく丁寧に治療を施されたのかという医療行為の質と、その後のメンテナンスの質、または口腔内の環境、状況によって寿命は大きく変化をしますので、一概に寿命は何年とお答えすることはできません。しかし、条件が整っていれば、20年以上も問題なく使用できるということも証明されています。ですから、インプラント治療では少しでも不安な要素を取り除き、焦らずにしっかりと治療を行い、治療後もメンテナンスを継続することがとても大切で、かんばって寿命を伸ばしていくことを考えましょうというのが私の考え方になります。
まとめ
インプラント治療は、手術が必要になる治療だし不安も多いことだと思います。もしすぐにダメになったらどうしようと考えてしまうかもしれません。しかし、正しい治療を受けて、ちゃんとメンテナンスを継続していれば多くの方が長期間、問題なく使用できます。
当院では、インプラントの手術だけでなく、その後のメンテナンスにも自信を持っています。他院で受けたインプラント治療おメンテナンスも受け付けております。
インプラント治療のことでお悩みの方は、お気軽に当院までご相談ください。
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