インビザラインGoについて
- 2023年6月25日
- 矯正歯科
インビザラインGoに関する注意点
今回はインビザラインGO関して、皆様に注意していただきたい内容について解説させていただきます。
近年マウスピース型矯正装置が急激に普及しており、当院にもインビザラインに関するお問い合わせが多くなっています。
特に前歯部分だけの矯正を行うインビザラインGOシステムに関するお問い合わせが増えてきております。
最近に気になっているのが、他院でインビザラインGOによる治療が可能と診断され、セカンドオピニオンとして当院に来られた患者様です。
実際に歯並びを見させていただくと本当にインビザラインGOで治療可能なのか不思議に思うケースが多い気がしています。
そこで、今回は矯正治療で後悔をしないためにインビザラインGOシステムの注意点について解説させていただきたいと思います。
インビザラインGOシステムとは?
インビザラインGOシステムとは、前歯部から第2小臼歯部までを動かす矯正システムで、使用できるマウスピースの枚数にも制限があります(アライナーの使用枚数は20枚)。これはどういう意味かというと、歯の移動量に制限があるということです。一枚のマウスピースで移動できる距離は決まっていますので、20枚分の移動しかできないということになります。厳密には、20枚分以上の動きを与えることも裏技的にはできますが、メーカー推奨ではありません。
インビザラインGOの注意点
①歯の移動量に制限がある
使用できるアライナーの枚数が決まっているので、歯の移動量も決まっています。歯並びのガタツキが大きい場合には、綺麗に並び切らない可能性があります。基本的には、前歯の軽度のガタツキや、矯正後の軽度な後戻りに有利な装置となります。
②奥歯の噛み合わせは治療できない。
インビザラインGOは奥歯を動かすことができないため、奥歯の噛み合わせが悪い場合には効果的な治療ができません。また、奥歯のかみ合わせの不調和が前歯の歯並びに悪影響を与えているような場合は、たとえ前歯が見た目上綺麗に並んでいても、矯正後、前歯のかみ合わせがさらに悪くなる場合があります。
③IPR量が増える
IPRとは、歯と歯の間を削って歯を並べるスペースを作る治療方法です。インビザラインGOでは、奥歯が動かせず、使用できるアライナーの枚数にも制限があるためほとんどの症例で多くのIPRを行うことになります。全体矯正であれば、歯を削らずに矯正治療が可能な場合がありますが、インビザラインGOではIPRがほぼ必須となり、IPR量も多くなる傾向があります。
④口元が出る可能性がある
インビザラインGOでは、奥歯を動かせないですし、抜歯矯正もできませんので、歯並びのガタツキが大きい場合には歯並びが今よりも外に広がってしまい、口元が今より出てしまう可能があります。これを抑えるためにIPRなどを行うのですが、著しく歯並びが悪いと不可能になります。
⑤クリンチェックや、口腔内スキャナーの簡易診断だけでは診断不足
インビザラインGOに限った話ではありませんが、クリンチェックや口腔内スキャナーでの簡易診査だけで治療を決断するのは大変危険です。マウスピース型矯正装置を使用しても、基本的な矯正の概念は従来法のワイヤー矯正とほとんど変わりません。安全に治療を行うためには、レントゲンや模型を使用してしっかり診査診断することが大切です。その上で、インビザラインGOシステムで治療が可能かどうか調べてから治療を行わないと大変危険です。
まとめ
今回はインビザラインGOシステムの注意点について解説しました。インビザラインGOシステムは、矯正治療の中でも比較的費用も安くて、治療期間も短くメリットが多いように感じられるかもしれません。特に最近は、その場で歯並びをスキャンして簡易的な検査が数分でできますのでお手軽な矯正のイメージがあります。しかし、当院で詳しく再検査するとインビザラインGOシステムではうまく治らないケースも散見しております。治療の選択権は患者様にありますが、矯正治療は一生に何度もやりかえることが出来ない治療です。できれば後悔のない矯正治療を受けていただきたいと切に願っております。
当院ではワイヤー矯正、インビザライン、インビザラインGOに対応しております。治療のシステムを決定する前に、患者様のご希望をしっかり伺い、十分な診査を行い、最適なシステムをご案内しております。
矯正のことでお悩みの方や、セカンドオピニオンをご希望の方はお気軽にご相談ください。
岡山市北区北長瀬で矯正治療なら金山デンタルクリニック