インプラントと天然歯の違い

インプラントと天然歯(自分の歯)の違いについてご質問をいただくことが多くありますので、今回はインプラントと天然の歯の違いについてお話しさせていただきたいと思います。内容が少々専門的になりますので難しい内容もあるかもしれませんが、なるべく分かり易く説明が出来ればと思います。
今回の内容は、実際に当クリニックでインプラント治療に関する説明をさせていただく時にお話ししている内容です。インプラント治療を安全に受けていただき、その後も長く使用していくには今回の内容はとても重要な内容となります。

インプラント治療とは

インプラントとは、チタンという金属でできた医療用のネジです。歯を失った所の顎骨に専用のドリルで穴を開けてインプラント体を骨の中に埋め込みます。約3~6ヶ月(場合によっては1.5ヶ月)骨とインプラントが結合(オッセオインテグレーション)するのを待って、最終的に被せものをインプラントに装着します。治療終了後は継続的にメンテナンスを行なっていきます。
インプラントの歯は天然の歯と同じくらいの力で物を噛むことができるので硬いお肉でも安心して食事が楽しめます。日頃のお手入れは天然の歯と同じように歯磨きをしてもらいます。
インプラントの歯は虫歯になりませんが、インプラント周囲にプラーク(歯垢)が溜まったままになっていると歯茎に炎症が出たり、インプラント周囲の骨が溶けてしまうインプラント周囲炎を発症することがあります。インプラントの歯は物を噛んでいる感覚が天然の歯よりも鈍いと言われています。また矯正治療を行なっても全く動かないのも特徴です。

インプラントと天然歯の違い ①組織の違い

上記の図のようにインプラント周囲の組織は天然の歯とは全く違っています。

特に違う点は、インプラント周囲の免疫細胞の数です。インプラント周囲には天然の歯と比較して血流量が少なくなっています。免疫細胞は主に血液の中にありますので、このことは免疫力(感染からの防御力)の弱さを意味しています。またインプラント周囲の歯茎は天然の歯の歯茎に比べて、コラーゲンの量、線維芽細胞の数も少ないとも言われています。
これらの違いは、天然歯に比べるとインプラント周囲の歯茎は炎症や感染に弱いということを意味しています。日頃の歯磨きや、定期的なメンテナンスをサボっているとインプラント周囲炎と言ってインプラント周囲の歯茎や骨が溶けて吸収してしまう恐ろしい病気を発症してしまいます。インプラント周囲炎は治りにくい病気とされていますので徹底的な予防が必要となります。
続いて、インプラントには歯根膜という組織がありません。歯根膜は、天然歯の根の部分と骨の間に存在しています。役割としては、歯にかかる力を受け止めるクッション効果、歯に加わる力を感知して噛む力をコントロールする役割があると言われています。
インプラントには歯根膜がないため、天然の歯に比べると噛んでいる感覚が鈍いと感じるケースがあります。物を噛む力をコントロールすることが苦手なので、柔らかい食べ物でも強い力で噛んでしまうことがあります。これによって、不用意に強い力がインプラントの歯に加わることでパーツの破損が生じることがあります。

インプラントと天然歯の違い ②構造の違い

インプラントと天然の歯は構造が全く違います。 

天然の歯は、エナメル質、象牙質、歯髄(神経)、セメント質と4つの組織からなります。簡単に割れたりすることはありません。しかし、歯ぎしりや食いしばりなど、強い力が加わることでエナメル質やセメント質が剥がれたり、不意に大きな力が加わると破折してしまうことがあります。
インプラントの歯は、インプラント(ネジ部分)、アバットメント(土台)、内部スクリュー(ネジ部分と土台を繋ぐネジ)、上部構造(被せ物)と4つのパーツで構成されています。
長く使用しているとスクリューが緩んだり、パーツが破損することがあります。故障したパーツは修理・交換を行います。インプラント本体が割れるなど、最悪の場合は、一度インプラント体を撤去して再治療が必要となってしまいます。定期的なメンテナンスでスクリューの緩みやかみ合わせのチェックが必須になります。

まとめ

ここまでインプラントと天然の歯の違いを解説していきました。今回解説した内容以外にも細かい違いは他にもあります。インプラント治療に置いて最も大切なことは①正しい知識を患者さんが持つこと②正しい手順・方法で治療を行うこと③正しいメンテナンスをしっかり行うことです。インプラントはメンテナンスをしっかり行うことで10年以上使用することが可能です。

最後に、インプラントはどんなことがあっても天然の歯に勝ることはないということです。一番良いのは全てご自身の歯が残っていることです。日頃から検診に通って歯を大切にしていただきたいと思います。

当院では予防と歯の保存に力を入れており、インプラントに関しては治療前のカウンセリングを最も重要だと考えています。インプラントに関するお悩み相談やセカンドオピニオンにも対応しております。どうぞお気軽にご相談ください

関連記事一覧

PAGE TOP